今日は第3部「人間の社会」第6章「企業の課題」を読みました。
ふうむ、なるほどと思ったのは、次のような点です。
マルチステージの生き方が実現するには、特定の年齢での就職、退職を想定する企業の人事制度が改められなければなりません。
例えば就職応募者の履歴書に「空白の時期」があることを理解、場合によっては(いろいろな経験をしているのだから)称賛する姿勢が必要。あるいは職業人生が長期化するため、従来の垂直型昇進ではなく、水平的異動へと発想を転換すべきなのです。
年齢と賃金を単純に結びつけると、高給取りの高齢者を作り、景気が悪ければ真っ先に解雇されてしまいます。アメリカでの調査では、55歳以上では、給与が下がっても柔軟な勤務体系で働くことを希望する人が多いことが明らかになっています。ということは、年齢と昇進と給料の関係について早急に考え直す時期にきているということなのです。
それから、実りある人生の土台を作るため、仕事と家庭の両立に関して企業が果たす役割がとても重要です。
子育て支援、介護者の支援、社員の学びの支援、年齢差別をなくすこと等々、企業の慣行を大きく変化させることは、マルチステージの人生を歩む人の可能性を花開かせるだけではなく、企業自身の成功にもつながっていくことだと筆者は指摘しています。
私の職場では60歳の定年退職後、再雇用を選ぶ人が多いのですが、仕事内容がほぼそのままであるのに、賃金がほぼ半分になる、という事態に激しい不満を持つ人が結構な数いるようです。
ふとしたはずみで、爆発した不満が職場の雰囲気を低下させた、なんて光景を最近目の当たりにしたんですよー。
働きに応じた賃金が保証されないなら、仕事内容が軽減されるべきですよね。でも、再雇用者に対して、低賃金がイヤなら、完全に退職するしかない…という対応が常態化しており…。でも、これって長寿化時代の勤務体系に合っていないということですね。
私も今の仕事量の半分でいいなら、70歳まで働けるかもしれないけど、今のままでは絶対ムリ。
筆者が提唱するように、引退までの道筋は複数の選択が可能な社会になってほしいです。