第9章 脳はスマホに適応するのか?
教育を受ける期間が長くなったことにより、世代ごとにIQが高くなる現象は「フリン効果」として知られる。
しかし、90年代終わりからIQの上昇が頭打ちになり、今では平均スコアが毎年いくらか下がってきているほどだ。
原因として、学校教育が緩くなってきたこと、20~30年程前に比べ読書が奨励されないこと、身体を動かさなくなったことが考えられる。
脳は可塑性があるので、使わないでいると知能の一部が失われる危険性がある。
脳にとっては「使うか捨てるか」なのである。
自分で考えるのをパソコンやスマホに任せることで、デジタル社会でも必要な知識や集中力を失っているのかもしれない。
これまで人類が成し遂げた様々な技術革命とスマホやパソコンが異なる点は、スマホやパソコンはその技術を長時間使用することができ、脳に与える影響が甚大なことだ。
印刷技術は本を通して人間に深い思考力と集中力を与えたが、インターネットは我々に深い思索を拡散してはくれない。
第10章 おわりに
この章では締めくくりとして、「デジタル時代のアドバイス」が何項目も挙げられています。
ここでは割愛しますが、最重要項目は
「大人も子供も仕事や勉強以外でスマホ他のスクリーンに費やしていいのは最長で2時間だ。」
ということではないでしょうか。
『スマホ脳』、ほぼ予定通りに読了しました。
筆者も述べているようにスマホがもたらす脳への影響が研究、調査で明らかになるのは数年後。
その数年の間に子供や若者の大切な脳がダメージを受けている可能性が高い…。
この本が昨年の売り上げ1位ということは、多くの人が読み共感したであろうということ。
そうした刺激が社会に、教育現場に新しい動きをもたらしてほしいと思います。 私個人としては、本書をまた精読して理解を深め、正しい形で若い人たちにアウトプットしていきたいと思います。