今日から読む本はこれ。
一日2章ずつ、読めない日もあると思うので、今週中に読了予定。
この本は比較的最近買った本です。
『プレーンソング』(未読)という保坂和志さんの小説とともに購入。
購入のきっかけは忘れました(笑)。
保坂さんの小説は、1冊も読んだことはありません…。
別に小説を書きたいわけじゃないのですが、昨日読み終わった上野千鶴子さんの『情報生産者になる』もそうですが、ご自分の職業に関わることについて、あるいはその職業を遂行する上で必要なノウハウを明確に記述している本に今、とても興味があるのです。
自分の職業上の責任を誠意をもって果たすのは大切で、多くの人は(私もそうです)、実行していると思います。
でも、自分の職業のノウハウを整理して、論理的に、情熱をもって他者に語ることは、
とても難しいことです。
転職をしないでずっと同じ職業であった私ですが、あと何年働くかな?というところまで来ました。自分なりに、総括できる境地に達したいのですが、なんせ、自転車操業、その日暮らしの積み重ねで今まで来ましたからねぇ…。
なかなか自分の仕事を俯瞰して、他人様に語ることはできないのでございます。
というわけで、保坂さんの『書きあぐねている人のための小説入門』。
今日は珍しく予定のない土曜日(オミクロン株のため茶道のお稽古も中止)だったので、予定どおり「Ⅰ章 小説を書くということ」「Ⅱ章 小説の外側から」を読めました。
読んだ中で、びっくりしたのは、上野さんが『情報生産者になる』とおっしゃっていたことと同じようなことを、保坂さんも書いていらしたこと。
よく「次の作品のためにネタを残しておく」という変なことを言う人がいるけれど、いま書いているものが第一作にならなかったら、二作目はない。残しておけるようなネタは、大したネタではない。つまり、書くに値しない。(『書きあぐねている人のための小説入門』36~37頁)
この本には持ち札の八割程度を使って、後の残りは別の本にとっておこうとせこい考えを持ったり、あまり手の内を見せるとほかの同僚にアイディアを盗まれるかもしれないと疑心暗鬼になったりする若い書き手もいます。自分の力を出し切らないでセーブすれば、しょせんそこまでの作品にしかなりません。出し惜しみしないで、その時の力量をすべて注ぐことを怖れてはなりません。(『情報生産者になる』362頁)
保坂さんも上野さんも目の前にあるものに全力を尽くすことで成長するのだから、妙な計算をして力の出し惜しみをしてはいけないと諭していらっしゃいます。
一流の人の仕事への姿勢は共通するものが、やっぱりあるんですねえ…。