「週刊文春」に2019年1月17日号から2020年1月2・9日号に掲載されたエッセイ集。
先日、とあるホテルで行われた林真理子さんの講演会に行ってきました。
その時、会場前で販売されていた書籍二冊を買ったうちの一冊。
安定の面白さ。長く続いているエッセイなので、筆者の人となりを深く知っているような気になっているし、周辺の人の面白いエピソードをいくつも記憶しています。
そうした林真理子周辺事情通の目で読むと、ある程度展開もオチも予測できるのですが、それでもやっぱり面白い。
テレビの時代劇『水戸黄門』のような安心感、安定感といったところでしょうか。長寿の作品には営々と築かれ、磨かれてきた黄金律のようなものがあるのでしょう。
何気なくはじまる「いつもの話、近況報告」が、タイトルとよく絡みあう結びにつながっていく筆の冴えに、「お見事!」といつもうならされます。
講演会での林さんは、予想していたよりとても淡々としたお話ぶりで、静かに闘志を燃やし続ける努力家、といった印象を持ちました。
林さんの小説で読んでいないものがたくさんあります。
まずは『白蓮れんれん』から始めます!