本日読んだ部分は第2部19「瓦を磨く」。
古くから「珠玉の瓦礫に在るが如し」(宝石が瓦や石の中に混じっているようなものだ、の意)という言葉があります。
また中島敦の『山月記』では、優れた才能の持ち主は珠、平凡な人々は瓦で譬えられています。
この章で筆者は馬祖禅師のエピソードを紹介しながら、次のように教えてくれます。
生きるということは問題の中で生きるということ。問題に対処するには一途に取り組めば十分であり、ひたすら瓦を磨くこと、それが修行。瓦を珠にすることが目的ではないのだ、と。
つい、わかりやすい成果や結果を念頭に行動選択をしがちですが、それでは本当に生きていることにならないのでしょう。
禅の修行をしているわけではありませんが、一途にひたすら瓦を磨く、それが自然にできたら、どんなに毎日が穏やかになるか、と思います。