偶然、ネットで唯川恵さんの追悼文を読んで知ったこの本。

作家の山本文緒さんは2021年10月に膵臓がんにより、58歳でお亡くなりになりました。

山本さんの作品は一時期集中して読んでいたことがあります。

この本のタイトルは、コロナ禍で人との交流が限られている中、軽井沢のご自宅でご主人とおふたり、余命四か月と宣告された日々をつづることに由来します。

体調がすぐれない中での文章なので、盛沢山というわけではありませんが、どのページを読んでも心にしみます。

特に釘付けになったのはここ。

今人生で後悔していることがあるとすれば、語学を勉強しなかったことかもしれない。せめて日常英会話くらいできたら旅先でもっと楽しめたと思うし、一人でも旅ができただろう。一応努力はして、英語学校に通ったこともあったのだが、目先の仕事に時間も気持ちも持っていかれてしまった。

直木賞作家の方でも、死を直前にして思うことは、私も多分思うであろうこととあまり変わらないんだな、ということを感じました。

やっぱり、英語頑張ろう。

それから、ブログがなかなか続かないことも日々気にかかっているので、せめてこれくらいは続けよう。

突然死を宣告されても、英語とブログを続けたから「それでよし」」にしたい、と思ったのでした。

新潮社の本の装丁は本当にきれい。

山本さんご夫婦が暮らした軽井沢のご自宅のテラスが描かれているのでしょうか。

小鳥たちが集い、優しく茂る木々。

多分一つ一つに意味があるのでしょう。元編集者だったご主人の思いがこもった装丁なのでしょう。

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